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西武信用金庫の反社会勢力との交際問題。今後の融資はどうなる?

西武信用金庫の反社会勢力との交際問題。今後の融資はどうなる?

2018年4月、金融庁が西武信用金庫に立入り捜査を実施したという報道が行われました。立入り捜査の理由として、西武信用金庫が反社会勢力、いわゆる暴力団やその傘下にある組織などとの交際があったからだと言われています。

金融庁による捜査によって西武信用金庫および不動産投資にどのような影響が出るかを考えていきます。

AI不動産査定のHowMa

西武信用金庫による反社会勢力への融資問題とは

西武信用金庫の反社会勢力への融資問題は、朝日新聞などで報道が行われています。

●朝日新聞デジタル「西武信金、反社会的勢力に融資の疑い 金融庁が検査

記事の内容によると、『西武信用金庫は反社会勢力に対する融資、特に警察庁が準暴力団とみなしている組織の関係者に融資などを行っていた』としています。

西武信用金庫が反社会勢力、もしくは、それに属する勢力と知りながら得意先として関係を持ち、融資を行っていたことが問題視されています。

現在では暴力団対策法などにより、各金融機関は反社会勢力への融資が禁止されています。反社会勢力が事務所を借りるときも、不動産業者から一般の方法で借りることは難しくなっています。また、反社会勢力に属する人間は金融機関から融資を受けることができません。

その影響もあり、最近では暴力団から脱退する人間も増えています。暴力団勢力の抑制のために金融機関が反社会勢力との関係を持たないことは、非常に大きな効果があったのです。しかし、西武信用金庫が交際や融資を続けていたのであれば、暴力団対策法で定められた法律に反する行為をしていたことになります。

金融機関に勤務する人間、特に管理職は定期的に研修や講習を受け、反社会勢力とどのように付き合っていけば良いかを必ず学んでいます。そのため、「反社会勢力との交際が許可されないとは知らなかった」では済まされない状況です。

西武信用金庫は好調に業績を上げ続けていた

各報道機関によると、西武信用金庫の融資総額は2兆円を突破しているとのことです。短期間で約2倍に伸び、特に営業利益に占める割合では貸付金利が7割近くと、他の金融機関と比較しても非常に高い比率であることがわかっています。

2017年にはシェアハウス「かぼちゃの馬車」を運営していたスマートデイズ社への投資家融資問題で、スルガ銀行が行政処分を受けました。スルガ銀行では属性の良くない物件や個人投資家などに対して積極的に高金利で融資を行っていたことが、同銀行の業績向上に寄与していました。スルガ銀行と同様に西武信用金庫もここ数年で好調に業績を上げ続けていて、信用金庫に属する金融機関の中ではトップに近い売上を誇っていました。

しかし、その背景にあったものとは、積極的かつ前向きな姿勢ではありませんでした。融資を受ける人間の特性をよく確認していなかったという、社会から杜撰(ずさん)との評価が下される融資が原因だったのです。

金融機関と反社会勢力が関係を持ってしまえば、反社会勢力が集めた資金のマネーロンダリングに使われる可能性もあり、社会の安全面に対して与える影響は非常に大きなものがあります。

好調に業績を上げ続けていると言われる金融機関が、このような体たらくでは数々の社会問題を引き起こしかねません。

2013年にもみずほ銀行と反社会勢力の癒着が発覚し、一時期には一部の部署で業務停止処分を受けた実例があります。西武信用金庫は金融庁の立入り検査が行われたばかりで、どのような処分が下るのか、まだ明らかになっていません。しかし、みずほ銀行と同様に厳しい処置が取られる可能性は低くないと思われます。

西武信用金庫は積極的な融資を行う金融機関だった

不動産投資家の中でも、西武信用金庫は融資に積極的な金融機関として有名でした。スルガ銀行のように全国各地の物件に融資を行うわけではありませんが、西武信用金庫の営業支店が存在しているエリアでは、それほど属性の良くない物件にも積極的な融資を行う信用金庫として、個人の不動産投資家がよく利用する金融機関だったのです。

まさに西武信用金庫はスルガ銀行の写し鏡のような存在です。今後、個人投資家にとって融資の融通の利くスルガ銀行と西武信用金庫の二行が、二行とも融資を絞るようになれば、不動産投資業界に与える影響は少なくないでしょう。

スルガ銀行の問題以降、一棟マンションの価格が下落している

現在のスルガ銀行は個人向け不動産の融資を半年間停止されています。期間が明けるまでに今後の業務フローや関係各所の問題などを解決しないかぎり、融資が許可されない状態に陥っています。

これはスルガ銀行だけではなく、スルガ銀行の融資を受けて積極的に投資を行っていた投資家にも大きな影響を与えています。特に高額な融資を受けないと購入が難しい一棟マンションへの融資をスルガ銀行が行わなくなったことにより、ここ数か月の間に価格が下落したと言われています。融資を受けずに一棟マンションを購入するには、1億円以上の自己資金を用意する必要があります。

現状では、他の金融機関はリスクを恐れ、積極的に融資を行っていません。その影響もあってか、特に都内の一棟マンションは物件価格が下落したと言われています。

いっぽうでは、それほど価格が高くなく、場合によっては自己資金での購入も可能な区分マンションに投資家の関心が移ってしまったと考えられています。そのため、区分マンションの価格は未だに上昇傾向にあり、立地の良い場所では区分マンションを取合う現象が続いているのです。

区分マンションを所有している人は物件を高く売る好機に恵まれました。また、今後も値上がりする可能性があるため、投資の対象として区分マンションの購入を検討する人にとって、現在は購入に適した時期だと言えるのかもしれません。

いずれにせよ、西武信用金庫が金融庁からどのような処分を受けるかについては、ゴールデンウィークを経て明らかになる可能性があります。処分の内容には投資家として関心を持ち、よく確認しておきたいところです。

西武信用金庫が耐用年数を過ぎた物件にも融資を行っていると報道された問題

西武信用金庫は反社会勢力との交際だけではなく、2018年秋には以下のような問題で報道されたことがありました。

●デジタル毎日「西武信金、投資用不動産に過剰融資か 耐用年数を法定の2倍に

毎日新聞の報道がどのようなものかと言うと、西武信用金庫が物件の購入を希望する投資家に融資を行うさいに、法定耐用年数を超えてローンの返済期間を設定したというものです。

例えば木造工法で建てられたアパートの法的耐用年数は22年です。そのため、「22年を超えるような融資期間の設定は問題があるのではないか」と、毎日新聞が報じています。

仮に築20年の中古木造アパートを購入するときに、返済期間が24年の融資を設定した場合、完済時の築年数は最終的には44年になり、法定耐用年数の2倍になってしまいます。

この点を踏まえ、「法定耐用年数を無視して融資を行っているのではないか」として、毎日新聞は上記のような記事を掲載したのです。

耐用年数を過ぎた物件への融資に問題は見られない

では法定耐用年数を経過した物件への融資は大きな問題に当たるのでしょうか。それはNOです。

法定耐用年数については、RC造の物件は47年、重量鉄骨造物件は34年、木造工法の物件は22年、そして、軽量鉄骨造物件は19年とされています。

そもそも法定耐用年数はあくまでも減価償却の目安として決まっている期間であり、年数を経過した物件に適用されないわけではありません。『軽量鉄骨造物件は19年利用したあとに、建物を取り壊して新しく建て直さなくてはいけない』などと法律で決められているわけではないのです。

特に最近では政府が国を挙げて、中古住宅の流通を促進しようという動きが見られます。あくまでも個人向けの住宅が中心ですが、耐震性のある住宅のリフォームを行うときには中古物件に対しても補助金の支給が行われています。空き家の問題の解決策としても、中古住宅をいかに活用するかが社会的な課題の一つになっています。

そのような情勢にある中で法定耐用年数を過ぎた建物を取り壊すのは、地球環境に配慮したエコの観点から見ても、時代に逆行するものだと言わざるを得ません。

さらに、昭和の時代に建てられた物件であれば、当時の建築技術は現在と比較して未熟で、素材も質の良くないものが使われていました。そのため、同じ工法でも現代の物件とは耐震性や耐久性などの面で大きな差が生じています。

昭和の時代に建てられたマンションで築50年を経過しているようなマンションは、確かに各所で老朽化が進んでいて、建て直しを検討しなければいけない物件もあるのは事実です。

しかし、2000年代以降に建てられたRC造マンションは、普通に住んでいれば100年たっても利用することが十分に可能だと言われています。

また、海外では地震が少ないということもありますが、100年前や200年前の建物が普通に都心に建ち、そこに多くの人が居住しています。したがって、日本よりも中古住宅の市場は大きなものがあります。建築技術や建材の質の向上によって、今後は築20年や築30年といった物件であっても、問題なく居住することが可能になるでしょう。

そのため、法定耐用年数を経過している物件への融資自体は、西武信用金庫に問題はなかったと考えられます。

耐用年数を過ぎても有益な物件はたくさんある

耐用年数を過ぎた物件に対する融資は違法ではありません。先に掲載した記事は毎日新聞の記者の勘違いとも考えられます。ただし、基本的に法定耐用年数が過ぎてしまった物件に対し、金融機関が融資に前向きではないのも事実です。

そこで耐用年数が過ぎてしまった物件で融資を受けやすくするには、どうしたら良いかを考えてみましょう。

物件価格が路線価に等しい不動産物件を探す

築25年の木造物件であれば、建物の価値がほとんどなくなってしまうのは事実です。そのため、中古の木造アパートなどを購入するときに築25年以上の物件を購入すれば、物件価格の内訳の大半が土地代のみとなっている物件を見つけることは難しくありません。物件の路線価や公示地価を計算してみて、物件価格とほぼ等しい値段であれば、金融機関が融資を行う可能性は高くなります。万が一にも担保の設定後に返済が滞ったとき、価値のある土地を売却することで金融機関が融資金を回収できる可能性が高くなるからです。

そのため、できるだけ土地の価格=物件価格に近い物件を中心に探せば、金融機関との融資の交渉が行いやすくなります。

融資を受ける金融機関は地盤の強い金融機関を中心とする

不動産物件の購入のとき、どのような金融機関に融資を受けるべきなのか、最終的には金融機関の選定も融資が下りるか否かに大きく影響してきます。築年数の古い物件の融資を受けるときは、物件が建つエリアに地盤が強く、地元の事情に通じている金融機関に融資を受けると良いでしょう。

ネットバンクなどは機械的に融資の可否を判断しますので、細かな交渉などが行いにくいです。現在ではメガバンクも、一部のエリアにおいて投資用物件の融資を行なわなくなっていますので、なかなか属性の悪い物件では融資を受けることができません。

いっぽうで、現在の地方銀行や信用銀行は金が余っていると言われています。これは金が潤沢にあるという意味合いよりも、むしろ、お金があるのに融資を絞っていて、利益が上がっていない状況につながっているのです。そのため、少しでも立地条件の良い物件であれば、地方銀行や信用金庫も積極的に融資を行ってくれるのです。

先に挙げた土地の価値が高い物件を探し、このような金融機関に相談を申し込んでみれば、担当者との交渉次第で十分に融資を受けることが可能です。

金融機関としても自社で細かく物件を探して融資を検討することは難しいのですが、融資を受けたい人からの相談があれば話は別です。購入対象の物件を調査して、資産価値が低下しにくいと考えられるものであれば、融資を行ってくれます。

リフォームとセットで融資を申し込む

建物が古くて居住用に適さない場合、リフォームやリノベーションとセットで金融機関に融資を申し込むというのも一つの手です。立地条件さえ良ければリノベーションを施し、新築同様の物件に再生することで資産価値を元通りにすることが可能になります。

リフォームやリノベーションの費用がかかってしまいますが、建物の価値がほとんどゼロの状態であれば、融資を受けたときに新築物件よりも安い価格で購入が可能です。金融機関との付き合いが長いリノベーション業者経由で融資を申し込んでみると、このようなケースでも融資が受けられる可能性は十分にあります。

収益還元法で利益を出している不動産物件を選ぶ

不動産物件の資産価値を測るには、様々な方法があります。その中でも物件の持つ収益性をもとに資産価値を計算する方法として、『収益還元法』があります。

例えば、年間に200万円の家賃収入を生み出すことで表面利回りが10%の物件は、200万円×10/100%=2,000万円の価値がある物件として計算されます。

オーナーチェンジ物件で賃貸に出している物件があれば、まずはレントロールを調べ、物件にどれほどの収益が見込めるかを確認しましょう。そして、価格に対して収益性が十分に高いと認められれば、金融機関も融資を許可するケースがあります。

まとめ

西武信用金庫による反社会勢力への融資の問題が、不動産投資家に与えた影響は決して小さなものとは言えません。まだ金融庁の処分の内容は発表されていませんが、一時的に業務の停止に追い込まれる可能性が高いと言えます。

それでも投資家にとって、今後も西武信用金庫が重要な金融機関であることに変わりません。法的耐用年数が経過した物件自体への融資は問題ないのですから、価格が割安の物件を探すことができれば、まだまだ西武信用金庫を利用する価値は十分にあるでしょう。

ただし、これまでよりも審査が下りにくくなったり、融資の条件が悪くなったりする可能性は考慮しておかなければいけません。これまで以上に立地の良い物件を探して融資を申し込めるように、常に物件探しに目を光らせておきましょう。

執筆者情報

HowMaマガジン 編集部
「不動産の売却」に役立つ情報を発信するHowMaマガジンの編集部です。売却のノウハウや知識はもちろん、誰でも気軽に不動産の売買相場価格をチェックできるサービス「HowMa(ハウマ)」が算出するデータなどもお届けしていきます。
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